まんぷく::日記

2003年から2007年までのはてなダイアリーをはてなブログに移設したものです。現在はhttp://ima.hatenablog.jp/を更新中

「イノベーションジャパン」でCAMUIロケットを見る

東京国際フォーラムで、明日まで開催中の「イノベーションジャパン2005」へ行く。目当てはもちろんCAMUIロケット。幸い永田晴紀先生にお会いでき、いろいろお話をうかがうことができた。

[写真:CAMUIロケットと永田先生]写真上の奥が永田先生。その後ろには、CAMUIロケットの試作品が立っている。この試作品は、推力80kgfで500gのペイロードを高度5kmまで持っていけるそうだ。左側の画面に映っているのは、この9月に行われた推力400kgf級のエンジンの噴射実験。

派手なムービーは人目をひく。ある年配の男性は目を輝かせ、「こりゃあいいねー、自分がもっと若かったら一緒に作りたいよ。ぜひ頑張ってよ」と話していた。実際、CAMUIロケットをやりたくて北大を目指す人も少なからずいるとのこと。

写真下は、CAMUIロケットの固体燃料となるポリエチレン。これを縦に数個つないでロケット内に仕込む。液体酸素を使い、1個あたり4秒間で一気に燃焼させるそうだ。

現在の開発状況としては、推力50kgfのロケットを1kmの高度まで打ち上げているとのこと。将来の開発目標としては、推力400kgf、4kgのペイロードを高度60kmまで持っていくタイプ、さらに推力1.5トンf、300kgのペイロードを高度110kmまで上げるタイプを作るそうだ。高度110kmまで上がればそこはもう宇宙である。3分間という長時間の微小重力実験が可能で、さまざまな実験をきわめて安価に請け負うことができるとしている。なにしろCAMUIロケットはほとんどの部分を回収・再利用する上、打ち上げに使う固体燃料や液体水素、液体窒素はとても安い。これはCAMUIが火薬を使わないためで、実はほかの小型ロケットの費用は、大部分が火薬やそれを管理する人の人件費であるそうだ。

そのほか、先日川島レイさんのblog(「Rocket Boys, Be Ambitious!」)で紹介されていた、アメリカのロケットベンチャーに採用されるかも、という話もうかがった。これはロケットプレーンである程度の高度まで上がり、そこから小型ロケットを打ち出して小さい人工衛星を打ち上げる、という話だそう。CAMUIロケットの開発ペースと、向こうのベンチャーの開発ペースが近いこともあって、なかなか現実味のある様子だった。これはそれこそ、キューブサットの打ち上げに使えそうだ。

映像資料はとにかくたくさんあるそうで、就業後の植松電機の方々が積極的にカメラを回してくれるとのこと。まさに「なんでも写真を撮っておこう」(d:id:manpukuya:20050218:photo)の世界。

永田先生に、上映している噴射実験の映像をいただけないか(そして画像をWebで公開したい)と頼んでみたら快諾をいただいた。大容量のSDカードを持っていたのが幸いした。ムービーからキャプチャした画像をいろいろどうぞ。

[写真:噴射実験]推力400kgf級のエンジンを使った、噴射実験の様子。

[写真:噴射実験の外観]実験は、JRの貨物コンテナ内で行っているとのこと。上向きのサイレンサーがついている。サイレンサーから出ている炎が少し緑がかっているのは「たぶんコーティングの炎色反応でしょう」とのこと。右側の建物は、CAMUIロケットを支援している植松電機の植松専務のご自宅だそうだ。

[写真:噴射実験後ろから]後ろから見るとこんな感じ。前方はなにもなく、北海道らしい原っぱと林が見える。というか何かあったら、何かあったときに危ないです。実験時には50mくらい離れるが、このクラスになると相当うるさいそうだ。

[写真:噴射実験液酸もれ]数回の実験のうち、この回はなにか煙がたくさん出ている。いったいなにかと思えば、なんと液体酸素が大量にもれてしまったとのこと。永田先生は「普通のロケットエンジンだったら大爆発ですが、このエンジンは平気です」と自慢気。

[写真:夕刻の噴射実験]夕焼けの噴射実験。きれいです。

ということで、「イノベーションジャパン」の開催は明日まで。CAMUIロケットの話を聞きたい人、このムービーのほか、CAMUIロケットの映像を見たい人、永田先生に会いたい人は東京国際フォーラムの展示場に入って右奥、「環境・エネルギー」エリアへ。